鵙の句

鵙鳴くや十日の雨の晴れ際を 明治27年

「十日の雨の晴れ際を」というのは、どういう意味か。

十日間、降り続くような秋の長雨を季語では、秋霖という。この句の美しさは、そういった秋霖もようやくやんで、空に一筋に雲が切れて晴れ間が現れた鋭角的な瞬間、ちょうどその時に鵙が鋭い声を響かせて鳴いたという。

この写生句は、碧梧桐がとって丸印をつけている。他の句もあるが、

鳴きながら鵙の尾をふる日和かな


に比べて、強い印象を持っている句なので、碧梧桐が良いと思うのは、当然だろう。