まつたりおうぶライフ

三流の暮らしについての無為自然の話題、俳句等のブログです。

2013年03月

遠山に日の当たりたる枯野かな

kyosi







































ずっと入り続けている日本郵趣協会の機関誌「郵趣4月号」に高浜虚子の手紙の記事が。
その文章から。

遠山に日の当たりたる枯野かな

「亡くなる前年の昭和33年(1958年)、84歳の虚子は、「枯野」の句を評し、遠山の端に日の当たる静かな景色が「私の望む人世」であると述懐している。その光景は、写生でもあり、心の原風景でもある。それは、自分と自然とが一体になった、静寂枯淡の境地である。」

静寂枯淡の境地を理解するには、私は未だ初心者過ぎるので、まだまだ修行が必要だと思う。

漆黒の土濡れ光り蓮を植う

P1020866




















ゴム靴の底の減りたる三月尽
漆黒の土濡れ光り蓮を植う
春耕に飽きて眺むる山遠し
紅椿落つるにまかせ寺の庭
西行の歌碑に乗りてや紅椿

花落ちて酒呑童子は酔ひつぶれ

多田神社


















源氏の祖というべき清和源氏縁の多田神社の桜を見に行きました。
桜も椿の花も見事であった。
切り株



















参拝の行きも帰りも桜かな
花落ちて酒呑童子は酔ひつぶれ
若武者の鎧の小札に花一片
婚礼の祝詞こだます花社
切り株に椿の落ちて咲くごとし

春寒や三衣一鉢寺に入る

春寒や三衣一鉢寺に入る
られられと敬語慣れぬや新入生
敦盛の桜見に行く須磨特急
風呂落とし窓辺に夜半の朧月
花霞む鵯越えの駅舎かな

風呂落とす音も聞えて花の宿

風呂落とす音も聞えて花の宿
 (吉右衛門四谷見附新居句会)


生活感が風雅の心を一段と引き立てる。

風呂落とす音というからには、皆が風呂に入った後、晩遅くか、翌朝か判らないが、花見に赴いて、この宿に泊まったのだろう。もう床に入って風呂を落とす音を聞いたのかもしれない。

なかなか、「風呂落とす音」に気づいて、しかも花に関連する句を詠むとは粋なものである。
「花の宿」とは、吉右衛門の四谷見附新居というのだろう。

この初代中村吉右衛門は、高浜虚子に師事してホトトギスの同人となり、句集も三冊も出している。浅草には、吉右衛門の句碑がある。
吉右衛門

  












女房も同じ氏子や除夜詣  吉右衛門



ライター情報

関西大学文学部国語国文学科卒、佛教大学大学院修士課程国文学専攻修了(通信課程)
国学及び近世文学及び書誌学を肥田皓三先生に学ぶ。
趣味は、音楽(ピアノ、ギター演奏) 天体観測(惑星等)神戸市在住。俳句結社童子

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