まつたりおうぶライフ

三流の暮らしについての無為自然の話題、俳句等のブログです。

2013年09月

今月の観音巡りは、14番から16番霊場。遠いので早い目の出発。
神戸の家を5時前に起きて出ました。

俳聖芭蕉が悟りを得たと伝えられる岩間寺にまずお参りしました。
ぼけ封じの観音様で、佛足石の上に立って拝みますと、御利益があるとか。
「古池」もそのまま残されており、そこには、蜻蛉が数多飛んでをりました。
手水の水の下には大きな鯉が泳いでいるのが印象的だったです。
仏足石
古池

手水舎の水も澄みたり岩間寺
古池に数多飛び交ふ蜻蛉かな

石山寺山門

紫式部が仲秋の名月を眺めて源氏物語の着想を得たという石山寺。
由緒あるお寺なので何度来ても飽きません。
「源氏物語小鏡」という本の複製本を買いました。
昼食は、瀬田川に沿った景色の良いお店でいただきました。

石山寺岩根
紫式部
 

漠然と想い侘びたる秋の湖
大いなる巌の上に秋の寺 
名月や瀬田の蜆の身も肥えて
秋天を真中で支え多宝塔
秋江を出でて太湖や外輪船
虫の音や紫式部は白き顔
名月を待ちて眺める源氏抄

観月堂
園城寺鐘

三井寺園城寺は広い境内ですが、観音堂は伽藍の西側の外れにあります。
そこから金堂まで引き返してみれば、大きな観月舞台がありますし、有名な鐘衝堂があります。
一回、衝けば300円ということです。

冷ややかな疎水眺めて園城寺
観月の舞台に立てば秋気澄む
月鐘と衝いてみたきや園城寺
青紅葉


最後に洛中の今熊野、観音寺にお参りしました。
緑が豊かな素晴らしいお寺、弘法大師様が開かれたということで、
その時にわき出たのが五智の水と呼ばれています。
彼岸花が咲き出しているのを見つけて、巡礼の人たちも喜んでいました。

彼岸花見つけて笑みの遍路かな
弘法の水涌きたるや青紅葉
龍神の水を頌えて放生会



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童子関西句会の先達であられます、村杉踏青さんの句集をいただいてから半年が経ちました。
座右において常々、眺めていたのですが、その感想等を書いてみようと思っていたのが、ここまで延びてしまいました。ご免なさい。

踏青さんの句集で関心させられたのは、バランス感覚に優れた句が多いこと。また、少し距離を置いたところから眺めた写生の句が優れている。対象への思い入れも一歩離れて客観的にみようとする態度。さすが、医療という科学的な職業に従事されている人らしいと思いました。また、この人は、ユーモアというのを解する人であり、さりげなく込められた風刺的な心も、かえって句に深みを与えている。

そうそう、関西風の絶妙な薄味の出汁が利いた蛤のお吸い物の様な珠玉の句がこの本には並べられているのだと思います。以下、句集の冒頭から目についた句の感想を述べてみることにします。



1991年~1996年

アネモネの紫のゆれ赤のゆれ

アネモネというのは、実は色の動きを楽しむ花なんだと再認識させてくれる句。
写生句として優れています。

秋天を落ちてくるよなロープウェイ

ロープウエイは傾斜を移動するけれど、地上からみればその角度の錯覚で空から墜ちてくるように見える。そういった情景を上手に詠んでいる。

輪をくぐり消ゆるイルカや水温む

イルカの曲芸ショーの描写だが、輪をくぐって再び水中に戻っていくときにそのなま暖かい肌合いが感じられた。それを水温むに滑らかに結びつけている。巧みな句だな。


野分あと風速計の放心す

野分で狂った様に風速計が回っていたのに、今は、壊れた様に止まっている。それを放心という言葉で表現しているところが面白い。

神農の虎を診察室に置く

大阪の神農さんのお祭りをさりげなく描いている。一般人には、薬問屋街のお祭りだが、作者は、その当事者であるお医者様なのだ。

あの婆さん病院へ来ぬ師走かな

患者さんへの思いやりが感じられる。元気な筈の婆さんは、迎春の支度に忙しいのか、それとも風邪でも引いたのか。

茫々と青野寥々と石の群

茫々とした青野をいけば、やがて寂しげで冷たそうな石の群れに出会う。晩秋の情景がしみじみと感じられる句である。

山の湯の裸身ほのかに五月闇

山の湯と裸身を詠んだ表現は、ほかの作品にもあるが、これは、そこに五月闇を結びつけたのが妖しさが加わっていてユニークな句である。

深草少将の熱情欲しや龍の玉

龍の玉に少将の熱情を結びつけているのが、平安時代の貴族の精神につながるような。

終バスの去りて花野の暮れてきし

花野を逍遙していると時が過ぎるのを忘れる。ああ大変だ最終バスもでてしまっているよ。




町医者

菓子袋開けて叱らる初芝居

芝居が退屈なのでお煎餅かお菓子を食べようとしたら、たしなめられた。そんな何気ない風景だけれど、微笑ましい。

大渦の生まれてまた生る春の潮

実際に鳴門の渦潮をみていると一つの渦が収斂して、また、新しいの次から次へと生まれてくる。そんな情景が面白く表現されている。

しんきくさい祭どすやろ巡幸は

私も「しんきくさい」と祇園祭を思っている。京都の人だから見慣れている。それよりも、この暑さには参ってしまいます。

作り滝つひに燃え出す火山ショー

火山ショーで、最後に溶岩が流れて滝が燃え出す。よくみれば安っぽい仕掛けである。なんども同じのをみていると飽きてくる。そんな皮肉っぽい表現が楽しい。

春障子瀬戸内海に開きけり

瀬戸内の海端の旅館に泊まられたのだろうか。海に開くと言わずに瀬戸内海に開きけりと言い切ったところにこの句の良さがある。


渦潮や淡路の鳶と阿波の鳶

これも鳴門海峡での吟行句だろう。淡路側と四国側にそれぞれ鳶が舞って、漁師の獲物を盗もうと狙っている。面白い句である。

山若葉神戸は海の匂ふ街

素直に神戸の街の情景を詠んでいるところに引かれます。山若葉と海が匂うという取り合わせが秀逸。


わらび餅

この海の身の締まりたる浅蜊かな

浅蜊にもそれぞれの海の味が染みこんでいる。きっと潮の流れ冷たい海なんだろう。浅蜊の身が締まっている。

嶺々の氷河細りし花野かな

カナダで詠まれた句らしい。氷河が高いところから降りて来て、高度が下がると溶けて細くなる。そこに花野が広がっている。雄大な山の自然を詠んだ句。

冬籠二人黙してゐて楽し

冬籠、梅雨籠と、黙するというのは、よくある組み合わせてだけれど、最後に「楽し」と置いたところにこの句の良さがある。

蛤や明石の海の砂吐ける

浅蜊の句と同じような趣の句で、こちらの方が春らしい茫洋とした雰囲気がでている。

朧にて海鳴り遠き一夜かな

この句も朧という状況の中で、遠くで海鳴りが聞こえるという少しサイケな夜の海の状況が描かれているのがよい。

鱧ちりや祇園囃子が遠くより

関西人なんだから鱧ちりや。祇園祭の時期が旬なんである。

山墜つるごと万緑の迫るなり

この句は写生の域を超えている。心に迫ってくる素晴らしい句。


風見鶏

青蔦のまだ届かざる風見鶏

この家は、ずいぶん古いお屋敷なんだろう。下の方は、すでに蔦に覆われてしまっている。それが、上へ、上へと風見鶏まで届こうとしている。風見鶏に届く頃には、自分はどうなっているん

だろうか。時間の経過を感じさせる句。また、風見鶏という風に靡いて方向を変える存在を時間の経過と結びつけることで、その無常観というのを一段と印象づけることに成功している。

夏霧や巨岩の山の修道院

モンサンミシェルを詠んだ句。夏霧の覆われるという不思議な修道院である。記念写真、絵はがきの様な句ともみられがちだが、何かをそれを越えた画家の視点ともいえるものが感じられる句

である。

秋水や笙に従ふ婚の列

秋の婚礼、粛々とした厳かな雰囲気が表現されていてよい。

にこやかに亡き患者来る春の夢

やはり、亡くなられた患者さんの夢をみられるのだな。お医者さんという仕事もやはり、単なる技術的行為、診療を越えた人と人との心のつながりが感じられます。

ミユンヘンのからくり時計秋はじめ

からくり時計、それも本場ドイツのからくり時計をみていると、それは、いかにも初秋の趣きである。この地域の人は、夏の間は、農作業に従事し、シーズンが終わると、今度は、職人に早変わりして、からくり時計、からくり人形等いろいろな仕掛けを作る。アルプスの近い南ドイツの風景である。そこに牧歌的な夏の思い出が込められている。

竹の春百夜通ひの径ここに

深草少将の句はほかにも1句この句集に収載されている。この句は、熱情というよりもむしろ、清々しい竹の春の風景として捉えられているのが面白い。

素戔嗚尊を日本武尊を拝みおでんかな

神社詣の生真面目さが、おでんで惚けてみせるところが面白い句である。

東には葛城西は霞みけり

まるで蕪村の名句の様な作品だ。でも、ここまで居直られると、認めざるを得なくなりますね。

ほかにも名句が一杯ありましたが、これ以上は、書けないので筆を置きます。

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藍染めの暖簾くぐれば西鶴忌

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灯明のただ点きがたし秋湿
秋水の閑かに浸みて不動尊
線香か秋の煙か法善寺
冷ややかな大包丁は店の奥

今日の句会、集合場所に集まった人があまりに少ないので、大丈夫かと思いましたが、結局、8名での句会となった。披講は小生が、司会は、Tさんがやって下さいました。5句出しなので、僅か40句なので、すぐ終わってしまいました。当日は雨で、しかも、季節というものを探し出して俳句にしなければならない大阪難波、法善寺界隈でしたが、みなさま佳い句をものにされていました。私はムセンでしたが、帰宅が整理した句をここにあげてあります。











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消しゴムの匂ひ湿りて秋の雨
露草の恋しきほどの寡黙かな
鶸の子のちちりとすれば雨上がり
おいずるを朱色に染めて秋遍路
新調の冷蔵庫開け夜食かな

俳句がいつまでたっても上達しないので、ユーキャンの映像歳時記というのを買いました。

http://www.u-canshop.jp/eizouhaiku/

監修している先生は、鷹羽狩行さん。
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DVDで、13枚分。
値段は、3万8千円(一括払い)
分割だと数百円手数料がつきます。

歳時記に載っている主要な項目が映像化されているので、判りやすくてよい。特に花、鳥関係や季節の行事、たとえば、民俗関係の行事、風の盆とかは、実際に映像が収録されているので、貴重な資料だと言えますね。

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カラー版の解説書等もついています。

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梨では、童子吟社の辻桃子先生の句が載っています。
例句、類句も豊富。また、一流の人が俳句を朗読しているのを聴くことで、耳から俳句を覚えることが出来ます。
僕は、毎日、40インチのテレビにこれを映してぼんやり眺めたり、あるいは、エアロバイクで運動しながらみています。風景などをみながら自転車を漕いでいると、本当にサイクリングしているような錯覚にとらわれます。