まつたりおうぶライフ

三流の暮らしについての無為自然の話題、俳句等のブログです。

2013年10月

新・俳句スポーツ論(新たな根拠が)

 NHKの「試してガッテン」という番組をみていた。

 山瀬まみちゃんとかそういったタレントが記憶力に挑戦する。
 記憶力について、僕がどうして弱いのかが判った。
 記憶の秘訣として、イメージを具体化させることが指摘されていた。
 ところが僕は、具体的なイメージを頭の中
に浮かび上がらせるのが苦手なんだ。

 記憶力のよい人は、それと他
のアイテムを連携させて「芋づる式」に覚えていく。
 
1.イメージ力の形成の問題

 残念ながら、僕は右脳人間なの
で、そのイメージ力が弱い訳。だから、雰囲気的に覚えていても形になって出てこない。俳句が覚えられないのもそこにある。句を読んだり、となえたりして、具体的なイメージを浮かび上がらせるよりも漠然とした状況でしか頭に残らないから。つまり、俳句を覚えるということは、その言語から具体的なイメージを作り上げる稽古になる。

 名句を覚えるというのは、単なる作句法をマスターするとか知識教養以上にイメージの形成能力の鍛錬を通じて、句作りの上達に役に立つということが判った。

2.作句とイメージ力

 このことは、作句にも生きてくる。雑誌や句会などで、評価が高い人の句をみれば
、その言葉から鮮烈な造形を浮かび上がらせることに成功している
 最近、ある人の句について2年間分の句を全てパソコンに入力して分析してみたところ、その事実が判明した。
 この人の場合は、常に観察力を鍛えて、具体的なイメージを句に詠み込むことに努力していた。成功していない句も、成功した句も全て、何らかのイメージを的確に読み手に伝えてくる。

 写生句にしろ、何か考えた句にしろ、具体的なイメージ
を言葉で再構築して、言語イメージに転換するという作業が必要不可欠である。この点については、坪内稔典先生も同じ様なことをおっしゃっておられたことを記憶している。

 僕の句をみていたら、そういった意
味で、茫洋とした判りにくい感じを受ける。
 具体性に欠ける句があまりにも多い。
 
 他の人の句はもっと具体的である
。そこに差があるのだということに気づいた。

3.イメージ力を鍛えよう(有酸素運動が効果)

 記憶からイメージを形成して引き出して来る能力というのは、脳の中の海馬という器官が司っているという。それを鍛える方法がある。それは、有酸素運動だ。
 実に意外なことであるが、若いときからずっと運動を続けていた人の海馬を調べてみると、その機能が高い水準に保たれていることが判った。
ウォーキングやランニングを継続的に
行っていると、海馬という器官に位置する「場所細胞」の数が増えて、機能が活性化されるという。

4.俳句スポーツ論の新しい根拠

 「俳句スポーツ論」とか波多野爽波がいっているけれど、これは、「多作多捨」を通じて自らを鍛錬するということだ。吟行・写生というワーキングの中では、とにかく歩き歩いて、句のイメージを作り上げるトレーニングを行うということ。これは、非常に効果的な有酸素運動でもある。
 童子句会では、午後3時を過ぎた位で、部屋を開けはなって一斉に深呼吸をする。これは、脳内の海馬の機能を健全に保つ為でもある。

5.さあ、どんどん歩いて、晴れの日も雨の日も吟行にでかけましょう

 辻桃子先生から、運動不足の私宛のお手紙に、「すくなくとも毎日7千歩は歩かないと
俳句はうまくなりませんよ。」といっているのは、まさに有酸素運動を行うということ、そうすれば海馬の機能が活発になってイメージ力が鍛えられる訳である。
 ベートーヴェンも森の中を時には一日中歩いて構想を練っていたという。これは、彼にとって長大な作品のイメージを作り上げる為の大切な作業でもあった訳だ。
 卓上で、いくら句を考えていても、概念的な句が出来るだけで、ちっとも俳句は上達しない。

 こんなことを台風が近づく中、風呂に入って考えてました。
 「どうや、いいこというとるやろう。でも、果たしてそれを実践できるかということやな。」

芒野にただ美しきひかりかな

susuki_005

芒野にただ美しきひかりかな
秋薔薇の蔓剪りたれば水の玉
魂の軽きばかりや枯れ尾花
秋麗の洛中図にて茶盛かな
時折は骨身にしみる風の中


風吹きてだうだだうどど柿ぶるる

pc072005-500x375

風吹きてだうだだうどど柿ぶるる
台風来渦中の人は静かなり
目覚めれば柿の落ちたる家の人
犬鳴かぬ台風圏の中にをり
穴まどひ我が家を穴と逃げて来て


10月より、佛教大学に再入学

俳句、文藝の研究の為にこの10月より、佛教大学に再入学した。

籍をおけば図書館の利用など、便宜が受けられるので、学部は、歴史学部、京都学コースという主に京都の史跡、遺跡、文物を研究対象にする学問分野。実際に何を研究対象にするかは決めていない。
童歌などが面白かろうと思っています。

図書館の本もファックスで申し込めば、宅配便着払いで、貴重な蔵書を送っていただくことが出来るので、非常に便利。また、レポートを書くことで文章を書く練習にもなる。しばらく論文やレポートを書いていないので、かなり筆が鈍って来ているのを感じているし。

悩みの種は、スクーリングが土日なので、句会の日と重なってしまうこと。来年1月の西日本句座始めも、スクーリングでフィールドワーク演習2に重なってしまう。授業を支払っているので、休めば、お金が無駄になってしまう。

どちらかを選ぶ二者択一には、いつも悩まされる。

湯疲れや秋の有馬の句座まきて

関西句会10月例会(10月13日)は、有馬温泉。

メンバーの方が所有しているリッチなマンションでの句会で、その後の料理も美味しかった。
有馬は、未だ薄紅葉もほとんど見えない状態で、なかなか季節に相応しい句が出来なかった。東京から、夜行バスで来られた方もおられ、湯疲れの顔もみえる中、楽しい句会だった。
私は、鼓滝を中心に吟行しましたが、素晴らしいところで、神戸市の上水道の水源にもなっているところで、清冽さを感じた。また、ここは、ほとんど観光客も居ず、秋の声が聞こえてきそうな場所だった。

PA130426
PA130429


ややもせば薄化粧なり有馬富士
水澄みて流れ落ちたる早瀬かな
湯疲れや秋の有馬の句座まきて
句座果てて人も疎らの夜寒かな
秋灯は近く遠くに温泉郷
賑やかな友と別れて月夜道
籾焼ける匂ひの中を鈍行車
暮れ果てて六甲山の夜寒かな
ライター情報

関西大学文学部国語国文学科卒、佛教大学大学院修士課程国文学専攻修了(通信課程)
国学及び近世文学及び書誌学を肥田皓三先生に学ぶ。
趣味は、音楽(ピアノ、ギター演奏) 天体観測(惑星等)神戸市在住。俳句結社童子

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

月別アーカイブ
  • ライブドアブログ