まつたりおうぶライフ

三流の暮らしについての無為自然の話題、俳句等のブログです。

2014年03月

仏舎利のごとくつもらむ落椿

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昨日は、母親に「桜の様子をみてきて」といわれたので、近所の多田院を観桜に訪れたが、早咲の桜以外はまだ一分も咲いていなかった。椿の季節も終わり、落ち椿が美しかった。

幾たびも桜咲くかと母訊ね
水温みぬれ光りたる巌かな

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啼鳥のいま飛び立てば椿落つ
仏舎利のごとくつもらむ落椿
もののふの屋敷朽ち果て落椿
静けさやただ白椿落つる音
うつくしき心遺さむ椿落つ

早咲きの桜散りたり忠魂碑
つらつらとただ雲眺む去来忌
東雲の風やや湿り三月尽 

龍天に天橋立うねりけり

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西国三十三観音霊場巡りももう大詰め。
今回は、28番成相寺、29番松尾寺をお参り。
成相寺は、麓に古代の丹後地域の要であった国分寺跡やあるいは、 籠神社が麓にある急峻な山を800メートルばかり昇った上にあり、空中伽藍のようで、そこから天橋立の全景を雪舟が描いた図の様に遠望することが出来る。天橋立の手前の海は、与謝の海、隔てられた向こうは阿蘇の海と呼ばれている。それを分けている天橋立は実に神秘的な存在。

橋立を東からみたのが雪舟観、南側からみたので龍天観と呼ばれており。たしかに橋のたもとからみる橋立は、海の中にうねっていてあたかも龍が天に昇るような印象を与えてくれる。


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大江山ふみて越えれば春の波

龍天に天橋立うねりけり
はしたてや二海隔てて朧なり
海かすみ雲にも見えて浮く橋と
彼岸西背に受け画くや雪舟図

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春潮にほそく溶け消ゆ砂州の喉

橋立や雀隠れの数多かな
砂州渡るよすがとなれば松露掻
廻る橋春のうしおを招き入れ

落椿与謝の夕日を惜しみけり

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春日や文殊の輪影踏み巡る
大仰に喘ぐようなる眼張かな
壺焼の腸をかじればじやりじやりと
巡礼も浅蜊の飯の昼餉かな
神仏の交じり給ふや花の寺

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残雪を踏みて滑りし松尾寺
馬観音秘仏なるてふ花芽立つ
春泥にまみえて売りし露天かな
幾段も棚田を下りて春の水
納経帳表紙も擦れて春彼岸





春日をサランラツプに包みたき

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羅麺の伸びて此世は長閑かな
春日をサランラツプに包みたき
雲呑やこころの隅も暖かき
花終わりまたも花芽を伸ばしくる
笈摺も朱に染まる着て花遍路


山之辺や菜の花明かりの家之刀自

菜の花月夜


大三輪や菜之花月夜の事問はむ
振り向かばまず菜の花と石上
菜の花の黄色伸びゆく上ツ道
山之辺や菜の花明かりの家之刀自
佐保姫のたもとに隠る石仏

黒猫は背伸びしてみるアマリリス


童子評論賞に入賞したご褒美にいただいたアマリリス。
桃子先生は遅いところでは2月中に咲くとかおっしゃられていたのが、なんと、3月も半ばを過ぎてようやく咲き出しました。DSCN1903


3つ目の蕾ともう一つの花芽が起ち上がってきました。

モナリザやもう早咲きのアマリリス
古座敷馴染めるほどに花芽立つ
谷ながむ座敷の窓辺アマリリス
黒猫は背伸びしてみるアマリリス
地震来たと気づかぬ不貞寝アマリリス
 
ライター情報

関西大学文学部国語国文学科卒、佛教大学大学院修士課程国文学専攻修了(通信課程)
国学及び近世文学及び書誌学を肥田皓三先生に学ぶ。
趣味は、音楽(ピアノ、ギター演奏) 天体観測(惑星等)神戸市在住。俳句結社童子

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