三月三十一日を三月尽という。和歌の世界では、春の終わりということもあり特別でした。散る桜が不吉であるということ、京都では、やすらひ祭等の鎮花祭が行われ、風流飾り物(魔を避ける為にいろいろな飾りものをする。)を振りかざした男達が京洛を練り歩きます。
弥生のつごもりの日花摘みより帰りける女どもをみて みつね
とどむべきものとはなしにはかなくも
散る花ごとにたぐふ心が
亭子院歌合の春のはての歌
今日のみと春を思はぬ時だにも立つことやすき花のかげかは みつね
私の方は、佛教大学の卒業研究で、俳句もおろそかになってしまって、平安時代から室町時代までの庭づくりの「秘伝書」をひもといて、それを翻刻(写本の筆記文字を活字に直す)したり、解釈したりして、ようやく研究の目処が立って来たところです。
村方の風流(ふりう)古びて三月尽