まつたりおうぶライフ

三流の暮らしについての無為自然の話題、俳句等のブログです。

2016年03月

三月尽

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三月三十一日を三月尽という。和歌の世界では、春の終わりということもあり特別でした。散る桜が不吉であるということ、京都では、やすらひ祭等の鎮花祭が行われ、風流飾り物(魔を避ける為にいろいろな飾りものをする。)を振りかざした男達が京洛を練り歩きます。


弥生のつごもりの日花摘みより帰りける女どもをみて みつね

とどむべきものとはなしにはかなくも
     散る花ごとにたぐふ心が

亭子院歌合の春のはての歌

今日のみと春を思はぬ時だにも立つことやすき花のかげかは みつね

私の方は、佛教大学の卒業研究で、俳句もおろそかになってしまって、平安時代から室町時代までの庭づくりの「秘伝書」をひもといて、それを翻刻(写本の筆記文字を活字に直す)したり、解釈したりして、ようやく研究の目処が立って来たところです。


村方の風流(ふりう)古びて三月尽

春風はくれない色にフラミンゴ

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明日の関西句会は神戸王子動物園吟行。
あいにく、その日は、佛教大学の単位認定試験で出られず、
午後から句会のみに出席予定。それで、事前に吟行に来た。

春風はくれない色にフラミンゴ
山笑ふ五十路も過ぎて動物園
木蓮に目もくれぬのかカンガルー
麗らかや家族写真に見知らぬ子
パンダ舎も鷹鳩と化す昼下がり
集うもの分かれるものや鳥雲に

母親が要介護認定1級に。
これからが大変なんだ。

我が母も介護認定雛納め

風光るモーツアルトかな昼下がり

昨日は、久しぶりにシンフォニーホールにお出かけ。
モーツアルトのピアノコンチェルトとブルックナー交響曲第6番のマチネー。

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前栽の芽吹くばかりのホール前
春装の色どりまぶし演奏会
春景にハ調の和音響き消ゆ
風光るモーツアルトかな昼下がり
カデンツアはただ延々と春麗
彼の曲は悲恋の春やアンダンテ
納税期今は忘れしブルックナー

シンフォニーホールでは、我が国で初めてオーケストラコンサート専用ホールとして大阪福島区につくられた。私は、竣工記念コンサートにも参列したが、その後は、30年以上、足を運ばずに過ごした。昨日、久しぶりにこのホールを訪れたら、植栽も大きく育ち、公園らしくなっていて驚いた。演奏は、飯盛泰次郎指揮関西フィル。ピアノは、フランス人のアレクサンドルタロー。瑞々しい感性に溢れたピアニストで、通俗駄曲と化しがちなモーツアルトのピアノ協奏曲第21番を今、生まれた曲の様に弾ききった。特にカデンツアは自作の見事なもので、古典派の様式を踏まえた上で気品と独創性を発揮していた。関西フィルの演奏も飯盛氏の薫陶の成果で、管弦共に極めて精緻な表現が出来るようになり、十分に楽しませてくれた。ブルックナーの交響曲第6番は滅多に聴かれる曲ではないが、冗長になりがちなこの曲をキリリとモチィーフを引き締めて、まさに春麗の大交響曲といわんばかりの名演を繰り広げた。

杣取りの道を下りて一華草 

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 杣取りの道を下りて一華草 

ようやく高原では草木が息を吹き返しました。
長い冬の終わりですね。

華やぎを求めて閑か桃の月

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  花生くる無骨な指やひな祭り
  華やぎを求めて閑か桃の月

  
 
  

 
ライター情報

関西大学文学部国語国文学科卒、佛教大学大学院修士課程国文学専攻修了(通信課程)
国学及び近世文学及び書誌学を肥田皓三先生に学ぶ。
趣味は、音楽(ピアノ、ギター演奏) 天体観測(惑星等)神戸市在住。俳句結社童子

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