まつたりおうぶライフ

三流の暮らしについての無為自然の話題、俳句等のブログです。

2017年06月

風流座の研究

もう、先週末のことになってしまったが、母宛に関西大学文学部教授増田周子先生からレターパックが届いた。それは、『近代大阪文化の多角的研究』という冊子であり、その中に、祖父が加わって立ち上げた風流座という文士劇の第1回公演に至るまでの調査がまとめられていた。風流座に関しては、祖父は、何度も画集の付録の中で文集等でよほど面白かったらしく何度も文章にしていた。しかし、一般的にはあまり知られていない。関東の鎌倉座の向こうを張って風流座が立ち上げたのだと思う。
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祖父は朝日新聞社の学芸部に所属していたので、芝居公演の記事等も挿絵付で記事を掲載しており、上方歌舞伎も半ば趣味と言える位に芝居絵を描いて楽しんでいたが、ついに己が舞台に立つことを決意したのだった。
そういった経緯や稽古場での様子まで記事にしていただいている。祖父のことを元関西大学教授の肥田皓三先生に話したら、真っ先に三越の八階で行われた風流座の公演の話になった。「あんさんのお祖父さんは、こんな大きな人でなあ。」と手を翳して仰ぐそうなそぶり想い出を話されていたのが印象的であった。
増田先生には、母が昨年末に亡くなったこと。姉の古家玲子も既に他界しており、祖父のことを覚えているものは殆どいなくなった状況等も綴り、祖父の画集の掲載されている風流座についての祖父が描いた回想記も送った。
論文は、こちらで閲覧出来る。
http://kuir.jm.kansai-u.ac.jp/dspace/bitstream/10112/11018/6/KU-0020-20170331-05.pdf
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水平に虹わたり来て摩耶の山

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水平に虹わたり来て摩耶の山

昨日就寝前に夢の中で母に会えますようにと祈り眠ったが、母親と久しぶりに夢の中で再開を果たし、目覚めれば、摩耶山の方に水平に流れる虹色の雲が見えました。

碧に染むけんけん舟や夏の潮

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碧に染むけんけん舟や夏の潮

祖父の絵がまたオークションに出されていた。
ひどく安い値段だが真筆だ。
「南紀のけんけん舟」という画題。
けんけん舟は、この地域独特の1本釣り漁の漁船で巨大な長い釣り竿を二本、左舷と右舷につきだして鰹を釣る漁なので、その竿が動く様子を「けんけん」(カナカ語が語源でぴょんぴょんという意味の説がある)と表現したことが、この奇妙な舟の呼び名になったようだ。現在のけんけん船は、大型の発動機を積んだしっかりした船であるが、祖父が描いたけんけん舟は、どうやら小さな焼き玉エンジンか、あるいは手漕ぎ、帆走の小さな舟らしい。
祖父はそういった小さな帆掛け舟を特に好んで描いていたし、眺めていると上機嫌だった。小豆島にいても、アトリエの沖合の海をそういった舟が通ると手を翳して遠くの方を眺めていたものである。


美しき黴び青々と菌糸立つ

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美しき黴び青々と菌糸立つ
梅雨寒の裏は明るき納骨堂
青嵐や牙朽ち欠けて鬼瓦

いよいよ6月。
母宛に関西大学から冊子が。
祖父の芝居一座の研究を大学の先生がされていたのを知らなかった。
祖父は芝居が大好きだった。 
ライター情報

関西大学文学部国語国文学科卒、佛教大学大学院修士課程国文学専攻修了(通信課程)
国学及び近世文学及び書誌学を肥田皓三先生に学ぶ。
趣味は、音楽(ピアノ、ギター演奏) 天体観測(惑星等)神戸市在住。俳句結社童子

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