まつたりおうぶライフ

三流の暮らしについての無為自然の話題、俳句等のブログです。

2020年06月

三手先組

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南海に青き遺跡や鑑真忌
戒律の息吹く伽藍に青き蛇
荒はえや三手先組の堂内に
青葉して摩訶毘盧遮那の座像染む
五月雨や黙する御像目閉じて

鑑真忌であるが、今年は、ご開帳はないと聞く。残念。昨年に唐招提寺金堂の大修築を終えて始めて御像のご開帳である筈が、国難とも言うべき悪性の疫病の為に見送られたには誠に残念である。なんども渡海に失敗し、南海に投げ出された鑑真和上。それでも諦めずついには視力を失った鑑真を讃える芭蕉の句がよく引き合いに出されるが、芭蕉の句以上のできばえの句は他にはみられないのでこんな句をつくっても意味がないことはわかっている。昨日、童子六月号が届いた相変わらず俳句は低迷している。こんなことでないだろうかと思うが下手だからずっと続いているのだと思う。視力を失っても渡海を諦めなかった和上の心ばえにあやかりたいものである。

芒種来て

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塩飴の甘辛きこと芒種来て
金星や芒種の空に果つること
土掘りも土も疲れし芒種かな
色白き腕を洗ひて芒種の夜
石仏の傍の草田も芒種めき

 もうあっという間に六月になった。大阪も夜の街も徐々に普段通りに戻りつつあるし、緊急事態宣言までは高値の花であった居酒屋も客数の減少で隙いている席に座りゆっくりと冷酒を嗜んでいる。
ライター情報

関西大学文学部国語国文学科卒、佛教大学大学院修士課程国文学専攻修了(通信課程)
国学及び近世文学及び書誌学を肥田皓三先生に学ぶ。
趣味は、音楽(ピアノ、ギター演奏) 天体観測(惑星等)神戸市在住。俳句結社童子

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