ウイルスのどこか蔓延る冬の空
眉寄せて湯立て神楽の巫女舞ひて
大鳥の影落としたる冬障子
神湯受け冬の痛みも和らぐや
大掃除想い出の本重きかな

湯立て神楽の神事をみると何やら上田秋成の吉備津の釜を連想してしまうのはわたしだけだろうか。巫女の清く気高い表情のうらには幾ばくかの陰影を感じ取らずにはをられなかった。