風呂落とす音も聞えて花の宿
 (吉右衛門四谷見附新居句会)


生活感が風雅の心を一段と引き立てる。

風呂落とす音というからには、皆が風呂に入った後、晩遅くか、翌朝か判らないが、花見に赴いて、この宿に泊まったのだろう。もう床に入って風呂を落とす音を聞いたのかもしれない。

なかなか、「風呂落とす音」に気づいて、しかも花に関連する句を詠むとは粋なものである。
「花の宿」とは、吉右衛門の四谷見附新居というのだろう。

この初代中村吉右衛門は、高浜虚子に師事してホトトギスの同人となり、句集も三冊も出している。浅草には、吉右衛門の句碑がある。
吉右衛門

  












女房も同じ氏子や除夜詣  吉右衛門