湯

































湯に入りて春の日余りありにけり

このおうぶの谷に越して来て一軒家に棲むまではあまり早い時間の風呂に入ったことがなかったが、朝風呂を含めて明るい時間に風呂に入るのが好きである。

この句の様な露天風呂もしくは開放的な窓があり、湯船に春の光が映えるような経験をしてみたいものだ。

仄かな湯気を通して柔らかい春日陰が射している。そんな湯船に浸かろうとすると、余ったお湯が春の日を乗せて、そのまま流れ出て行く、そういった瞬間を描いた句である。