NHKの「試してガッテン」という番組をみていた。

 山瀬まみちゃんとかそういったタレントが記憶力に挑戦する。
 記憶力について、僕がどうして弱いのかが判った。
 記憶の秘訣として、イメージを具体化させることが指摘されていた。
 ところが僕は、具体的なイメージを頭の中
に浮かび上がらせるのが苦手なんだ。

 記憶力のよい人は、それと他
のアイテムを連携させて「芋づる式」に覚えていく。
 
1.イメージ力の形成の問題

 残念ながら、僕は右脳人間なの
で、そのイメージ力が弱い訳。だから、雰囲気的に覚えていても形になって出てこない。俳句が覚えられないのもそこにある。句を読んだり、となえたりして、具体的なイメージを浮かび上がらせるよりも漠然とした状況でしか頭に残らないから。つまり、俳句を覚えるということは、その言語から具体的なイメージを作り上げる稽古になる。

 名句を覚えるというのは、単なる作句法をマスターするとか知識教養以上にイメージの形成能力の鍛錬を通じて、句作りの上達に役に立つということが判った。

2.作句とイメージ力

 このことは、作句にも生きてくる。雑誌や句会などで、評価が高い人の句をみれば
、その言葉から鮮烈な造形を浮かび上がらせることに成功している
 最近、ある人の句について2年間分の句を全てパソコンに入力して分析してみたところ、その事実が判明した。
 この人の場合は、常に観察力を鍛えて、具体的なイメージを句に詠み込むことに努力していた。成功していない句も、成功した句も全て、何らかのイメージを的確に読み手に伝えてくる。

 写生句にしろ、何か考えた句にしろ、具体的なイメージ
を言葉で再構築して、言語イメージに転換するという作業が必要不可欠である。この点については、坪内稔典先生も同じ様なことをおっしゃっておられたことを記憶している。

 僕の句をみていたら、そういった意
味で、茫洋とした判りにくい感じを受ける。
 具体性に欠ける句があまりにも多い。
 
 他の人の句はもっと具体的である
。そこに差があるのだということに気づいた。

3.イメージ力を鍛えよう(有酸素運動が効果)

 記憶からイメージを形成して引き出して来る能力というのは、脳の中の海馬という器官が司っているという。それを鍛える方法がある。それは、有酸素運動だ。
 実に意外なことであるが、若いときからずっと運動を続けていた人の海馬を調べてみると、その機能が高い水準に保たれていることが判った。
ウォーキングやランニングを継続的に
行っていると、海馬という器官に位置する「場所細胞」の数が増えて、機能が活性化されるという。

4.俳句スポーツ論の新しい根拠

 「俳句スポーツ論」とか波多野爽波がいっているけれど、これは、「多作多捨」を通じて自らを鍛錬するということだ。吟行・写生というワーキングの中では、とにかく歩き歩いて、句のイメージを作り上げるトレーニングを行うということ。これは、非常に効果的な有酸素運動でもある。
 童子句会では、午後3時を過ぎた位で、部屋を開けはなって一斉に深呼吸をする。これは、脳内の海馬の機能を健全に保つ為でもある。

5.さあ、どんどん歩いて、晴れの日も雨の日も吟行にでかけましょう

 辻桃子先生から、運動不足の私宛のお手紙に、「すくなくとも毎日7千歩は歩かないと
俳句はうまくなりませんよ。」といっているのは、まさに有酸素運動を行うということ、そうすれば海馬の機能が活発になってイメージ力が鍛えられる訳である。
 ベートーヴェンも森の中を時には一日中歩いて構想を練っていたという。これは、彼にとって長大な作品のイメージを作り上げる為の大切な作業でもあった訳だ。
 卓上で、いくら句を考えていても、概念的な句が出来るだけで、ちっとも俳句は上達しない。

 こんなことを台風が近づく中、風呂に入って考えてました。
 「どうや、いいこというとるやろう。でも、果たしてそれを実践できるかということやな。」