麦秋やカザルスのセロ音盤で
白服でぜんまい巻きて蓄音機

久しぶりにちょうど30年前に国文学科を卒業した関西大学を訪れた。
別に卒業30周年ではないのだが、SPレコードのミニコンサートがあったから。
SPレコードは、OBの製薬会社の人が収集したのが寄贈されたものでクラシックが中心で80組程度。
会場は、円形の陳列室を持つ博物館。昭和30年代に造られた建物。
僕が学生の頃は、ここが図書館で、30年前はエアコンも入ってなく、ちょうど今頃は窓を開け放って燻煙の香りする中で、汗をかきかきレポートや課題にいそしんだものだ。
現在は、冷暖房完備、湿度調整されて快適な環境。円形ホールなので、素晴らしく音が響くので、これは期待できるぞって感じ。
蓄音機は、「クレデンザ」という名前の豪華な機械で、巨大な箪笥の様な形をしている。電気増幅を一切せず、発条式。音盤から鋼鉄の針で拾った音を細長い管の様なピックアップから箪笥の中身の大部分を占領しているホーンに共鳴させる。曲目は、次の通りであった。

13407107_1064334486979931_3204209925023274837_n


曲名 J.S.バッハ『無伴奏チェロ組曲 第1番 ト長調』
     パブロ・カザルス(チェロ)
    J.S.バッハ『甘き死よ来れ』
     パブロ・カザルス(チェロ)、ブラス・ネット(ピアノ)

音盤を3面かけると発条を巻くハンドルを回す。レコードの片面が終了するたびに針を交換で、バッハの組曲等は、20分位なのが、小一時間もかかったような。音は素晴らしく良い。私もSPレコードを持っていて、電気で増幅して聴いているが、それに比べて高音は耳障りなところはまったくなく、ジリパチノイズもかなり遠くで幽かになっている感じ。カザルスが目の前で弾いているような錯覚を覚える程の迫真的な音なので、電気等を全然使わなくても音が聞こえるので感動でした。

その後は、ガラス展を鑑賞。ポンペイの遺跡から出土した銀化した硝子製の水差しから、大阪硝子製の硝子食器類まで、その中で美しかったのが、ウラニウム硝子の光沢が涼しげなもの。

news_3_170

 ぎあまんの青妖しきや夜光杯