あんまり気分が滅入ることが多いので、9月1日から4日まで3泊4日松江・出雲旅行にでかけました。
バスと安宿の貧しい旅行。
3~4日は、大学学友会主催の出雲の考古学の学習会に参加しました。
金曜日の午後に高速バスに乗ると松江に着いたのは、午後7時過ぎ。
バスがもの凄く飛ばした(運転手さんがスピード狂なので1時間早く着きました。)
おかげで、ヘロヘロに疲れて、決められた時間でゆっくり走って欲しかったなあ。
国引き大橋のたもとの安ホテルからは、宍道湖からの朝日が直接部屋に射して来て眩しかった。
午前中は、出雲大社に向かった。JRで出雲市駅まで移動して、そこから一畑電車で大社前駅まで。
午前9時前までに出雲大社に到着。拝殿、摂社、全て、出雲式礼拝でお詣りしました。
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鈴なりの葡萄園過ぎ大社前

斐伊川の砂紅々と野分来る

秋麗や切り妻屋根は出雲様

籾焼きの煙に埋もれ古き塚

出雲路の大蛇の里に秋の蝶

天高し千木のそびえて大社

秋蝉や千家伝へし文庫(ふみぐら)に

たまゆらの新蕎麦湯がく出雲刀自


お詣りの後は、出雲大社の歴史博物館。日本神話のビデオを6分間鑑賞した後、館内を見学。特に古代の出雲大社の大きさには度肝を抜かれた。もの凄く太い栗の木を3本束ねて1本の巨大な柱でそれが40メートルあって、その上に寝殿がそびえていたのでした。模型だけでも圧倒された。


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その後は、銅矛、銅剣、銅鐸、鉄剣等の金属製品を鑑賞。出雲は、大陸から金属加工の技術が伝わり、特に製鉄に関しては、立地条件と鉱石に恵まれていたので、古墳時代の我が国の工業生産の中心なっていた訳なんだ。


碧玉の玉見つかりし里の秋

出雲路の大蛇の里に秋の蝶


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出雲大社見学後は、仕事のお得意先を回ってから、松江市に戻ってきました。

やはり宍道湖の雄大な景色に惹かれます。


宍道湖や夏の名残の麦藁帽

秋潮と秋水分かつ大湖かな

秋思ふ心に沁みる蜆汁

宍道湖の彼方の山は野分風

宍道湖の風の寄せ来る稲田かな


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松江城に登城した後は、小泉八雲記念館と旧居に。松江城は、江戸時代初期に造られたままで遺っていて、何層もの天守閣を急なギシギシいう危ない階段を上って、そこから眺める松江市街と宍道湖の風景は格別です。


小泉八雲記念館は、城の堀端の武家屋敷跡にあります。最近、改修されて最新の設備で見やすくなっています。展示物では、八雲が来ていたスーツや旅行鞄、身だしなみ用品等が特に彼の精細な人柄を物語っていて興味深いものでした。松江高等学校等の教師や西洋風のビジネスは彼にはつらい仕事であったが、しっかりとやり遂げていたことが判ります。大きな煙管の先に噛み痕が幽かに残っているのが実に興味深いものでした。私にはライブラリーの方が興味があり、八雲に関する文献が揃っており、その中で、一際興味を持ったのが、八雲が書いたイギリス文学史全2巻と神戸クロニクル紙に記者として書いた当時の西洋文明批評の箇所です。物事の細部に実に拘っていたこと、英文学史では、近代よりも中世に興味を持っていた状況等がうかがえて楽しかった。


しかし、松江に来て本当に良かったと思ったのは、小泉八雲旧邸であり、そこは、狭い座敷から3方が眺め渡せる日本庭園で、植栽は、果樹や、季節の草木、小さな家には蓮の花が一輪咲いていたのが印象的。それも多くは植えず、自然の中で寂しげに秋の花が咲き揺れている様子が素晴らしい。


僕は暫く、座敷の縁側に1人で座っていたが、やがて、スッと立ち上がって、八雲の机にそっと触れて、その古いいかにも華奢な椅子の後ろにずっと座り続けていたのか、そういった痕が残っている畳、座布団に近寄り、そこで、夕景を眺めながら静かに長い煙管を銜え、江戸時代の松江の街に思いを巡らしていたハーンの姿を想像していました。


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秋の蚊にやはり喰われて虚子の句も

怪談の稲荷社に螻蛄鳴きて

長き夜やお伽の妻の白き頚

夕景を愛でしヘルンや瑠璃柳



翌日は、佛教大学歴史学部の門田先生の考古学の講座で、今年の春に、出雲神話については、神話伝承学の斉藤先生のアマテラスの講義を聴いた後で、その時代の出雲で実際にはどの様な祭祀が行われていたかについて、出土事例をもとに詳しい説明や討論を行う講義内容でした。講義の後は、島根県立美術館で開催されていたベルギー美術展を鑑賞して、バスの旅の帰路につきました。


橙を投げてわたしてバスの旅