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たかんなや翁言祝ぐ来訪神

竹取物語が物語りの祖とされている。それは、成立年代が最も古いということなのだろうが、物語の原初の形態を示されているということもあるのではないか。春のことぶれを告げる来訪神、まれびとの言祝ぎの祀りが、この時期に行われるということ、それを担う人は、特別の神意を汲み取る能力を持った人々であると言うことなのだと思います。和歌にしろ物語にしろ「言霊」による呪術が源流にある。和歌は直接的な言祝ぎと言ふ内容であり、物語は、伝承を踏まえ、幾年久しく同じ物語を語り部として伝えることが、花鎮めの祀りの一コマであったと言うこと。古来、たかんなは、その強い生命力の神秘が信仰されて、たかんなの由来、神秘譚を語ることが言祝ぎの中心行事であったからだ。月から竹に宿る神の伝承を語るということの神秘、民俗的な意味合いに注目せねばなるまい。何故、竹取の翁なのか、元々は、翁は来訪神の言質を伝える語り部の役割を果たしているものだったが、その語り部の伝承が物語化される中で作中の登場人物に組み入れられていったのだと考えられるのである。