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あかあかやあかあかのつきあかあかと

明恵上人の歌に限りなく近いが、月を観る人の心得をやはり素直に詠んだ歌だと思う。法然上人の月影の歌も感動的だが、理に優っている部分がある。明恵上人は法然浄土教を真っ正面から批判した人だが、法然の理に勝った考え方や盲信性を批判したのだと思う。明恵上人は、釈迦の世界に帰ろうとした人で、13 世紀のインドに渡航しようと計画されていた。それは実現しなかったが、もしインドに到達していても、当時のインドの世界は終末密教の特殊な世界で、この様な月影の澄んだ境地を詠むような教えの世界では既になくなっているので、天竺に行かず、夢問答、夢日記の世界で色々なことを論じられてそれが、一番の幸福だったのだと思います。