harunotuki-ph

初春の令月にして気淑く風和ぐ。
梅は鏡前の粉を披く、蘭は珮後の香を薫らす。
しかのみにあらず、曙の嶺に雲移り、
松は羅を掛けて蓋を傾く、
夕の岫(くき)に霧結び、
鳥は穀に封ぢらえて林に迷ふ。
庭には新蝶舞ひ、空には故雁帰る。

新蝶の舞ひたるごとき令和かな