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古筆切れ眺め尽くして冬の靄

中世期に源氏物語古筆切れの収集ブームとなって数多くの源氏物語の本文は裁断されて散失しました。おそらくは青表紙本以前の形態を遺す本文もその対象になったことでしょう。これらの中で今でも古筆切として伝世しているものが多数あり、これらを収集することで一層、古い時代の源氏物語の姿を知ることが出来ます。古筆切れや断簡で名高いのが国宝源氏物語と同じ時に出来た若紫巻が古筆切として発見されたことです。光源氏の顔等は近世風に書き換えられていたが、それ以外は、院政期に描かれた風景を伝えていました。若紫巻の断簡もいくつか古筆切として伝わっており、源氏物語絵巻の詞書もこの中にみることが出来ます。