関西大学国文学科で色々とお世話になった浦西和彦先生がついにやりました。
同窓会の世話を長い間して下さっていて、その時にいっぱいやりながら、「温泉文学事典」のお話をされていたが、僕は、戯れ言だと思っていたら、なんと本気だったのでした。
坪内稔典先生が惹句を書かれています。坪内先生には、佛教大学でお世話になってましたが、この本で両者の関係がついに結びついたのかなあ。
是非、この本を買わないと。温泉がなんと700箇所も出てくるので、温泉マニアの人も必携。
俳句がたくさん載っているそうなのです。
三流の暮らしについての無為自然の話題、俳句等のブログです。
俳句結社誌「童子」2月号の巻末の「童子新聞」に板藤くぢら氏が平凡社の「俳句歳時記」全5巻のことを書かれているが、奇しくもYahoo!オークションで5巻全揃1000円で出品されていたので、落札した。
値段が値段だけに外箱が一部破損していたり、中身にも染み等が目立つ巻もあるが、実用に差し支えない程度なので、使いたいと思う。この間は、角川の「図説俳句大歳時記」を落札したり、角川の「現代俳句大成」を落札したり、非常に安い値段で俳句関係の書籍が出ているので、貧乏な私には大助かり。
大学の蕉風俳諧の授業で懐かしい井本農一先生や、山本健吉、山口青邨、富安風生、飯田 蛇笏、水原秋桜子等の著名な先達方の監修。
「梅」だけで7頁にわたって解説されており、類句の多さにも唖然とさせられる。
るすに来て梅さへよそのかきほかな 芭蕉
梅が香やしららおちくぼ京太郎 芭蕉
梅が香や朝ゝ凍る花の陰 千代女
白梅や墨芳ばしき鴻臚館 蕪村
月の梅の酢のこんにゃくのとけふも過ぬ 一茶
梅折や天窓の丸い影法師 一茶
板塀や梅の根岸の幾曲がり 子規
傍らに人無き如く梅にあり 虚子
梅折つてかつ散る花や眉の上 碧梧桐
写生して人去る野路の梅淋し 放哉
水滴の凍るゆふべぞ梅にほふ 秋桜子
ためらひて梅の下ゆく芝火あり たかし
うしろより月のさし来ぬ梅の花 苔水
などなど、類句を眺めるだけでも楽しい内容。
歳時記の梅の頁に折り目かな つよし